1. はじめに
フィリスのアトリエのアイテムダメージ計算には、様々な要素が関係します。これらの要素のほとんどは、いくつかのカテゴリにわけられ、各カテゴリの掛け算でアイテムのダメージが計算されます。
この解説では、カテゴリを基礎ダメージ、威力値、アイテム威力強化、クリティカル倍率、属性、最終ダメージ倍率、連携率、その他に分けました。カテゴリの分け方と呼び方は私が勝手に決めたものです。
計算式を示します。最後に100で割っている点には注意してください。
アイテムダメージ = 基礎ダメージ * 威力値 * アイテム威力強化 * クリティカル倍率 * 属性 * 最終ダメージ倍率 * 連携率 * その他 / 100
ただしこの式には、いくつか無視をしている要素があります。まず1つは、被ダメージ側の防御力によるダメージ変動です。
アイテムのダメージ効果のうち多くのものは、「相手の防御力が高いほどダメージが上昇する」という特異な性質を持ちます。これは「防御力」という概念に反していますが、現象としてはそうなっています。防御力が非常に高い敵相手だと、極端なケースでは7倍、実用的な範囲でも3倍程度のダメージ上昇が発生することがあります。
アイテムのダメージ効果によって、防御力の影響をどう受けるかは異なります。例えば戦闘中に「防御無視ダメージ」と記載される効果は、文字通り防御力の影響を受けません。「炎ダメージ・強」や「絶対零度」など、炎氷雷の3属性の基本となる効果はこの「防御無視ダメージ」にあたります。
また「防御力」のイメージ通り、防御力が高いほどダメージが減少する効果もあります。数としては少ないです。
現在の解説では、この防御力の影響は無視しています。つまり上記に示した掛け算だけの式は、「防御無視ダメージ」に対してのみそのまま適用できる、と考えてください。
防御力による影響はかなり複雑なものになっている上、乱数を含みます。これについては、現状定式化できていません。
無視している要素のもう1つは、小数の丸め誤差です。実際のダメージ計算では、計算の途中で小数点以下の切り捨てや四捨五入などを行っていると考えられます。このような小数丸めを厳密に考慮する場合、計算の順序、丸めを行うタイミング、切り捨てなのか四捨五入なのか、これらを明らかにしなくてはなりません。
今回の定式化では小数丸めの影響は考慮しないものとします。つまり計算値と実測値では、常に多少の誤差が発生すると思われます。